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塾長のコラム

くらじゅく通信の創刊

タマちゃん
◆超人気のタマちゃん
  多摩川に現れたあごひげアザラシの「タマちゃん」が超人気らしい。その後、鶴見川、帷子川、岡江川に姿を現し、東京湾の河川流域を転々としている。毎日のようにメディアで取り上げられ、「タマちゃん」の健康うんぬんが報道されている。そんな矢先、NHKの特集で北極のあごひげアザラシが地球温暖化によって、絶滅の危機にあるというドキュメンタリーを見た。日本と北極の距離はあまりにも離れていて、この2つを結びつけることは難しいが共通点があるように思えた。

◆海の野生動物の異変
もともと動物には帰巣本能が備わっていると思われるが「タマちゃん」はこれらが何らかの理由で、阻害されているのではないかと考えられる。本来厳寒の海に住むアザラシが温暖な海にいること自体がおかしい。大量のクジラが本来現れることのない浜辺に打ち上げられ、苦しんだあげく死んでしまったことも同様なことと考えられる。帰巣本能を奪っているのは人間が作り出した環境ホルモンのためであると言う説もある。本来の自然を人間がどんどん変え、野生動物に影響を与えている。陸上に住む野生動物の異変が、今では広大な海に広がっているのかもしれない。

◆地球温暖化は北極のアザラシを絶滅へと追いやる
一方、北極のあごひげアザラシは温暖化により、子育てをする場所(氷のドーム)を失い、天敵の白クマに襲われ易くなって、子アザラシがまともに育たない状況にたたされている。温暖化もまた、人間のあくなき経済活動によって引き起こされたことである。「かわいい」だけが優先された「タマちゃん」。それだけでは、北極のあごひげアザラシは救えない。(たとえ「タマちゃん」は救えたとしても・・・)身近なことには関心は持っても、遠い北極の話にはなかなか関心が向かないものである。そしてこの2つを結び付けて報道したメディアは、私が知る限り皆無であった。

               (くらじゅく通信2002年8・9月号より)

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