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塾長のコラム

くらじゅく通信の創刊

誕生日
◆誕生日の意味 
 
「誕生日って君にとってどういう日?」とたずねると、たいていの子どもは生まれたことを「祝ってもらう日」で、ケーキを食べてプレゼントをもらう日だと答える。大人も似たような答えを返してくる。成人の日も同様で、20歳になって、大人の仲間入りをすることを祝ってもらい、お酒とタバコをおおびらに飲んだり、吸ったりできると考えている者もいる。

◆私の学生時代
 
学生のころ、青春ドラマで主人公が成人の日にお世話になった人々に「今までお世話になりありがとうございました。ようやく二十歳になれました、一人前の自分でないけれど精進していきたい。これ彼もよろしくお願いします」と述べ、歩くというくだりがあり、私もそれに感化されて、成人の日の集会には出ず、世話になった人々を訪ね歩いた記憶がある。
 
◆誕生日はお母さんに感謝する日
 
誕生日はどうか?「祝ってもらう」ことがことの本質なのであろうか。どうも釈然としない。それに回答を与えてくれたのは、今は亡き映画評論家の淀川長治さんであった。彼曰く。「誕生日というのはお母さんに生んでもらったことを感謝する日なんですよ」これですべてが腑に落ちた。お母さんが命をかけて生んでくれたからこそ、今自分が存在する。それを1年ごとに確認する。もちろん、1年間を無事に過ごせたという意味もある。でもそれはまわりの人たちが支えてくれたからであって、まわりあっての自分である。
お母さんだけではなく、周りの人にも感謝する、欠落しているのは「感謝の心」である。こういう風に考えると、母親に対して子どもがよく言う「ババア」という言葉に象徴される悪態・雑言は出てこないであろう。

◆感謝の心が世の中を明るくする!
 
私はこの間55歳になったが、この話を聞いた時にはもう時すでにおそし、母親は亡くなっていた。それ以来、誕生日の来た子どもたちはもちろん、大人の方にも「誕生日はお母さんに感謝する日だよ。生んでくれて○○歳になりました。ありがとう」といいなさいと説いている。これは、私の母に「感謝のことば」を言えなかったことに対するせめてもの償いである。
  成人の日も同様である。クラッカーを鳴らして、酒を飲んで騒ぐのは、「祝ってもらう」という受身の姿勢から来る甘えではないだろうか。感謝する事を忘れてしまった現代人が「感謝の心」の大切さを再確認すれば世の中少しは明るくなるのではないだろうか。

              (くらじゅく通信2002年12月号より)

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