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塾長のコラム

くらじゅく通信の創刊

植物
◆立山でのスキー
 
冬の立山は雪が多すぎて人間が立ち入ることができない。5月になると除雪車が動いて立山に入ることができる。観光バスがバスの高さの2倍もあるような雪の壁の間を走る光景がテレビで映し出される。毎年の風物詩である。
  ある年、5月の連休を利用して立山にスキーに出かけた。立山でのスキーはゲレンデのスキーとは違って、コースのない林間を滑る。リフトはもちろんなく、下ったらバスに乗り山の上のほうに運んでもらい、また下るということをくり返す。本当にのんびりしたスキーだ。5月の雪は湿気を帯びていて、雪が重く滑りにくいものである。それでもスキーに出かけるというのは私もかなりのスキーフリークである(ちなみに盆休みにニュージーランドにスキーに行った経験があるほどである)。

◆植物のすごさ
 
満足を得られないまま風景を楽しむことに切り替えようと、無意識の状態から風景に意識をこらした時、あることに気がついた。まったく雪に埋もれていた木が頭を出している、そしてなんとその木のまわりは同心円状に雪が解けている。「生きている。」いい様のない感動であった。動物ならばとても生きていくことができない低温と雪の重圧という極悪な環境に耐えながらじっと雪解けが来るのを待っている。動物にはとてもかなわない底知れぬ力を持っているのである。そのとき以来、「植物はすごい」と思うようになった。子ども達にもそのことを折にふれて話している。
  ゲレンデスキーでも3月末ごろになると、一見枯れた様に見える木も、目を凝らしてみると枝に花芽(かが)や葉芽(ようが)の小さな芽をいっぱいつけている。リフトのからからという音や風の音を聞きながらそれらを見ることが、リフトに乗っている間の私流の楽しみ方である。

◆地球上で栄養分と酸素を供給している植物
 
また植物は二酸化炭素という無機物をデンプンという有機物に変えるという大きな役割(光合成)を果たしている。この地球上で栄養分を作っているのは植物だけである。我々人間を含めて動物はそれを直接的または間接的にそれを食している。中3で習う「食物連鎖」であるが、それを知らない人が意外と多いものも事実である。さらに光合成の過程で酸素を作り出し、地球上で生きる生物すべてに供給している。植物なしでは地球の存在そのものが考えられないのである。2年まえから私は食物の色素を常食している。目がよくなったり、傷めていたじん帯の痛みが軽減されたり、髪の毛が黒くなったりしているが、栄養分を作っているのは食物だけであることを考えるとしごく当然なことなのかもしれない。

◆植物の太陽電池
 
最近植物の赤い色素、黄色い色素で太陽電池を作っている大学の先生がいることをテレビで知った。従来のシリコン性の太陽電池に比べて性能はまだ劣るらしいが、シリコンと違って色素は加工しやすいので応用範囲は無限に広がる。これで青色の色素で太陽電池ができると、色に関してもどのような色にも加工できる。植物の色素は太陽が無くならない限り無限に供給される。人間に栄養素、酸素だけでなく、電気を通じて光までも供給してくれる。改めて、植物のすごさにただただ感心するばかりである。

          
 (くらじゅく通信2003年9・10月号より)

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