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塾長のコラム

鳥インフルエンザ

◆鳥インフルエンザは本当に解決したのか?
  高病原性鳥インフルエンザ事件がようやく終息の見通しがついたらしい。発生源となった浅田農産は廃業という最悪の結末をむかえた。今後処分される鶏が125万羽というとんでもない数に驚かされる。生き物を不要になったからといって殺してしまう、処分してしまうという発想は明らかに生命軽視もはなはだしいが、果たして、これですべてが解決したのだろうか。インフルエンザにかかった鶏は処分されても、原因は全く取り除かれていない。どこでも自由に移動できる野鳥が感染源とすれば、今後色んなところで感染が伝えられるであろう。一時沈静化していたSARSが中国でまた再発していることからも容易に推察できよう。

◆ウイルスとの共生
両者ともウイルスによる感染症である。ウイルスの歴史をひもとくと、地球創世期、水のない数百度という高温の地上をさけ、数百メートル地下に移動し、生き延びたらしい。単細胞であるが故、我々人間よりはるかに生命力、繁殖力のあるウイルス、バクテリアが死滅することはありえない。野鳥がインフルエンザウイルスと共生している(野鳥はこのウイルスで発症しない)のと同様、人間もウイルスと共生していく必要がある。すなわち人間がしっかり免疫力を保持していくことが条件である。

◆食物連鎖を忘れていないか
  鶏が集団発症したのは、大量飼育と光を遮断した閉鎖環境でのウインドレス飼育による免疫力の低下によるものと考えられている。その鶏、鶏が産む玉子を我々は食べ続けている。母親がアトピーであれば、その母乳を飲むその子どももアトピーになる。免疫力を落とした鶏を食べればどうなるか話は簡単であろう。BSEの問題も牛の肉骨粉を飼料として与え、共食いさせたことがことの発端である。例外はあるが、一般的には同種の仲間を殺さない、ましてや食べないというのが動物社会の原則である。いずれも自然界における広い意味での「食物連鎖」を忘れて、人間の思うままに生き物を操作し、物として扱っているところに大きな問題がある。それに対する警鐘であり、今までの大量生産、大量消費、大量廃棄の考え方を方向転換する必要にせまられているようである。

                 (くらじゅく通信2004年4・5月号より)

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