| お遍路日誌(その2) |
平成17年8月15日
◆仏木寺の大黒天様
リージェントホテルを7時半頃出発。龍光寺(りゅうこうじ)をめざす。距離にして20キロほどのところにある。国道56号線から57号線に入り宇和島のはずれから少し行ったところにある。山門がなく稲荷神社の赤い鳥居が立っている。お寺に稲荷大明神も祀られている。神と仏が今も同居する珍しいお寺である。その名も稲荷山龍光寺とある。
龍光寺から仏木寺(ぶつもくじ)までは31号線を北上し3.5キロ仏木寺という名から非常に楽しみにしていたお寺である。大黒天様がお祀りされている。私は昨年天中殺が終わり、今年は運気の上がっていく年である。(現実に上がっているのを感じている。)納経所で七福神のかわいい人形を購入する。自分のために人形を買うことは私には珍しいことであった。この大黒天様のことは私の持っている3冊の本に少しも紹介されていなかったのが不思議だ。しっかりとおまいりする。
◆雨やどり
31号線から29号線へ入り松山自動車道宇和インターからすぐ近くに明石寺(めいせきじ)がある。明石寺のかつての名は大きな石を担ぎ上げた「上げ石」が名の由来で「あげいしじ」がかつての名だそうだ。地元の人たちは「あげいしさん」と親しみをこめて呼んでいる。こういう由来もなかなかおもしろい。国道56号線を北上、大州(おおず)市に住む知り合いの菊池さんに電話するが、結局会えないことになり、一度来たことのある町の風景を眺めながら通過する。
内子(うちこ)で379号線に入って、しばらくして雨にあう。どしゃぶりで雨雲が空を完全におおっている。雷が聞こえるのでにわか雨だと思った。ギフトショップの店で雨宿りさせてもらう。店の人にサランラップをもらってライトとスピードメーターをカバーする。小雨になったところでまた走りだすが身体が冷え切っている。カカフェレストランに入って暖をとる。温かいコーヒーがおいしい。
◆峠をこえれば、懐かしい日本の原風景が
1時間半ほどロスして出発。身体を冷やさないようパーカーを着る。若い学生さんのサイクリスト2人とすれ違う。彼らもびしょぬれだ。今日の宿泊は古岩屋荘を予約。雨宿りなどで7時ごろになるだろうと電話を入れた。397号線で分かれて380号線へ真弓峠回りを選択。延々と8キロにわたって上る。真弓トンネルの手前の三島神社の近くに歌(うた)先生が主宰するお遍路小屋プロジェクトが作ったヘンロ小屋があった。真弓トンネルを越えた山間の村では盆踊りの準備をしていた。日本の原風景を見ているようで懐かしい気持ちになる。こういう昔から続いていることは後世に伝えていかないといけないと思う。
◆遠い古岩屋荘、つのる不安
380号線を33号線の分岐で左へ行くところを右へ行ってしまったらし。これでずい分と古岩屋荘が遠くになってしまった。ただ川沿いにくだりが続いたので楽は楽であった。美川(みかわ)村に入ってまったく人に会わない。苦労して見つけたアベックに古岩屋荘までの道を聞く。あと10キロはありそうだ。
山の日暮れは早い。車がまったく通らないし、街灯はまったくないのでヘッドライトを頼りに走るが手探り状態だ。暗闇の中に放り出されたようで不安が募る。立禅で心を静める。やっと岩屋寺(いわやじ)の入り口につく。ここには申し訳程度の街灯があった。薄明かりの中、お遍路さんの仮眠所らしきところに自転車があり、お遍路さんが一人寝ている。後2.5キロである。暗闇の中目を凝らしながら、もくもくとペダルをこぐ。明かりらしきものがちらちらと見えた時は本当にうれしかった。こんなにも明かりがありがたいと思ったことは、今までなかったのではないだろうか。
◆今日もよく走った
古岩屋荘についたのは8時前であった。1時間近く遅れたことになる。食事時間がまたまた8時までなので、とりあえず新しいポロシャツと半ズボンに着替えて食堂へ。食事はもう用意してあって、生ビールを一気に飲み干し、2杯目をいただく。食事にはいつもせきたてられる。風呂は岩で組んだ浴室でなんとも気持ちがよい。風呂の近くには有料洗濯機があり汗と雨でぐしょぐしょになったウェアを洗った。この洗濯機は本当にありがたい。昨日あまり寝ていないのと、今日も121キロ走っているので10時ごろから爆睡した。
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