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塾長のコラム

くらじゅく通信の創刊

お遍路日誌(その3)
平成18年8月12日

◇石手寺からお遍路を再度スタート
 定刻通り7時30分松山観光港に接岸。5分程前に船倉の方に移動するが、自転車がない。少しあせったが、移動されたのだろうと気を取り直し、バイクをおいてあるところを探す。結構離れた所に見つけるが、勝手に移動するのはどうかと思う。メモを置くなどの心遣いがほしかった。観光港を8時前に出発。昨年観光港に向けて走った道を逆に石手寺に向け走る。51番札所石手寺には8時20分に到着。先祖供養、私のゆかりの人々の供養そして遍路結願(けちがん)を願い、心を込めてお祈りする。まだ朝方で人もまばらで、ゆっくりと御経をあげることができた。

石手寺をあとにして50番札所繁多寺近くに最近引っ越した谷本さん親子をたずねた。読書くらぶに通塾していた洸樹君が自転車で待ち合わせのバス停まで迎えに来てくれた。谷本さんの実家ではちょうど引越し荷物が着いて、それを運び入れているところであった。洸樹くんのおじいちゃん、おばあちゃんとは初対面であったが、暖かい接待をうけた。座敷にはお遍路巡拝の掛け軸がかけてあり、随分と長くかかってまわったが、いまや家宝になっているとおじいちゃんが話してくださった。私も今回が88番札所大窪寺まで結願巡拝の旅である。今までお寺だけを目指して、人を訪ねることはなかった。今回がはじめての寄り道であったが、なんと縁起のよいことか。不思議なご縁を感じた。

◇仏教の教え
谷本さん親子と歓談したあと10時20分出発。もと来た道を戻り観光港を経由して52番札所太山寺に向かう。三の門に「みつばちに注意、山門の地中に巣」という貼り紙。人が近寄らないよう糸が張ってある。都会ならすぐにでもこのみつばちの巣は撤去してしまうだろう。そこはお寺である。みつばちと人を同列に見ている。生きとし生けるものの共存を図るというのが仏教の教えである。最初のお寺で心なごむ光景に出会ったのはこれからのお遍路に明るい予感を感じさせた。

53番札所円明寺は地図では2.3キロとなっているがオドメーターでは1.7キロですぐに着いた。円明寺は「和気の円明さん」の名で親しまれているこぢんまりとした住宅地に建つお寺である。次の54番札所延命寺までは38キロ。196号線を走る。伊予鉄道と併走することも。左手は海岸線なので冷気がほどよくあって気持ちがいい。誰も歩いていない歩道を快調に走る。途中、海鮮北斗というお店で少し遅めの昼食をとる。さしみ定食2000円ふんぱつ。新鮮な魚が実においしい。西宮ではとてもこの値段では食べられないだろう。食事はお遍路では唯一の楽しみである。食後コーヒーを飲みながら次の予定を立てる。今治港の近くにある今治プラザホテルに予約電話を入れる。毎回の宿泊地は昼ごろまでの進み具合やお寺の間の距離を考えて決めている。

◇パンク
北斗2時頃出発。太陽はますます輝きをましカンカン照りの中を走る。途中196号線が347号線に変わっている。196号線のバイパスができたのだろうか。私の持っているお遍路地図帳と実際とが随分と変わっている。車道が狭いうえ舗装状態が悪いので歩道を走る。突然ガタゴトと後輪に異音がする。サイドバッグのベルトが絡まったのかなと止まって調べると異常はない。そのまま走るがやはりおかしい。やっとパンクだということに気がつき、よく見ると5センチぐらいの釘がタイヤにささっている。携帯してきたチューブに取り替えるのに20分近くかかった。

パンクは一昨年お遍路を始めてから、今回が初めての経験である。車道より歩道の方が釘の落ちている確率は高いと考えられるのでこれからはできるだけ車道を走ることに決める。チューブを調達しないと安心できない。チューブの交換はトライアスロンで一度経験があるが、チューブそのものの修理はやったことがないからだ。延命寺には4時39分到着。出発する前に聞いていた「女へんろ元気旅」の著者森春美さんが寄進した石碑をみつける。知り合いの人のゆかりのものを見つけるのはやはりうれしいものだ。

◇初日は無理せず
プラザホテルはJR今治駅の近くにあり、今治港にも近い。5時30分にチェックインした。昨年もそうであったが、お遍路一日目は無理をしないと決めている。自転車はホテルの事務室に置いてもらえることになったが、食事は団体の貸し切りで用意してもらえないことが分かる。とりあえず部屋でシャワーを浴び、コインランドリーでバイクウェアの洗濯をする。ウェアは汗まみれで水洗いでは汗臭さが残るので毎日洗っている。シティホテルに泊まる理由はすぐにシャワーを浴びることができることと、たいていコインランドリーが用意されているという単純な理由からだ。

7時30分頃ホテルの人に食事のできるところを教えてもらって外に出る。教えてもらった店は家族連れが多く敬遠し、10分ほどうろうろとした後「今村」という和食の店に入る。カウンターがあり一人でも気兼ねなく食事できた。この店は品数の割に安く、本当にこれていいのかと思うくらいだった。しかもおいしく表彰ものだ。1時間程してホテルに戻り明日の準備をする。窓を開けるとしまなみ海道の橋がライトアップされて美しい。9時にベッドにつく。


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