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塾長のコラム

お遍路日誌 その3 平成18年

お遍路日誌(その3)

平成18年8月17日

◇結願(けちがん)
  5時半起床。雨は小雨になっている。6時15分頃、堤さんと朝食。古沢さんは昨日も今日も食事を頼んでいないようだ。堤さんと「またどこかで出会いましょう」と再会を約して、6時42分「ながお路」を出発。古沢さんは少し遅れて出発するようだ。「大窪寺で会いましょう」と声をかけた。長尾寺から大窪寺までは17.1キロ。3号線を南下。鴨部川を渡ったあたりから緩やかに登りとなった。額峠まで延々と続く6キロの登りがかなりこたえた。がまん、がまん。小雨だった雨はほとんどやんでいた。2回小休止を取り、峠を越えた。

峠を越えて下った先に多和小学校があり377号線に入るとまた坂道が続く。2つ峠を越えた先に大窪寺があった。8時23分着。最後はどんなドラマチックな登りがあるのだろうかと、少し胸をワクワクさせていたが、意外にあっけなく着いてしまったので、少し拍子抜けの感があった。しかし、一昨年発心して、3年目にしてやっとここまで来た。自転車お遍路にこだわり続けた自分をほめてやりたい。そんな思いが頭をめぐった。しかしこの静けさは何だ。

善通寺のようなにぎやかな寺という想像とはまったくかけ離れている。ゆっくりおまいりするとはこのことだったのか。1時間近く境内で過ごす。古沢さんと再会しお互いの健闘をたたえあう。手持ちのお金はほとんどなく、結願寺と入った手ぬぐいを2本買う。大窪寺を9時22分出発。もと来た道を戻り長尾寺、志度寺で納経をしていただく。志度寺の山門の手前に江戸時代の科学者平賀源内さんのお墓を発見。源内さんが四国の人だとはじめて知った。
◇帰路
  11号線を西へ。高松のフェリー乗り場へ向かう。このとき所持金は小銭ばかりで1000円もなかった。フェリー乗り場の近くに労金をみつけてお金をおろす。12時10分フェリー乗り場到着。乗船まで2時間30分近くある。食事をして、ロビーで高校野球を見る。3時に乗船開始。3時30分出発。

三宮からフェリーに乗り自転車お遍路を始めたのは一昨年。西日が絨毯のように海をこがし極楽浄土に招かれていると感じたのも、つい昨日のように思われる。今日は逆に高松から神戸へ向かっている。松山道後温泉近くの51番札所石手寺をスタートして88番札所大窪寺まで結願のお遍路で38寺をめぐった。距離にして500キロ。一昨年が31寺、昨年が21寺であった。(31番札所竹林寺、51番札所石手寺は2回巡拝)今年は初めてパンクも経験し、初めて納経に間に合わなかった。また、自転車で登れない山道を歩きお遍路と同じように登る経験もした。これは次の『歩きお遍路』に向けてのいい経験となった。今までのように順風満風ではなかったが、その分より印象深いお遍路となった。

色んな思いに耽っているうちに三宮港に、7時頃接岸。フェリーターミナルから三宮フラワーロードを北上、2号線に。都会の雑踏の中で徐々に現実にもどされていく。日常の生活にいや応なくひきもどされていく自分を感じる。しばらく2号線を走るが、走りにくいので、43号線を走ることにする。43号線は側道が整備されていて非常に走りやすい。人や自転車の往来も少なく、お遍路の余韻を感じながらゆっくりゆっくりと走る。いつもの様に、オアシスロードに入り夙川から苦楽園へ。自宅に着いたのは10時前であった。

◇これから
  まだ高野山金剛峯寺参拝が残っている。受験の終わる3月後半の土・日曜日を利用していくつつもりにしている。もちろん自転車で行きたい。のべ約15日で八十八ヶ所を巡拝したことになるが、やり残したことが一杯ある様な気がしている。それは八十八のお寺を通過してきただけ。という偽らざる気持ちが根底にあるからだ。やはり『歩きお遍路』への想いやまずということであろう。ひとまず、来年の5月連休を利用して再度四国を歩きたい。それから、また『考えてみよう』と思っている。
 今年も行く先々で、生き仏様にお世話になった。こころより感謝している。

合掌

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