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ブレイクスルー思考

ブレイクスルー思考

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高校受験

毎年2月・3月は高校受験の合格発表がありボーダーラインにいる塾生が1人や2人はいるので、気分的に少し落ち着かない時期を過ごす。
今年は一般入試の方は比較的安心して入試当日を迎えられたが、2月中旬の推薦入試を受験する塾生が例年より多く6名もおり、希望通り合格できるかやきもきすることになった。(というのは推薦入試では小論文、面接など教科テスト以外の評価があり、予想できない面があるからである。)

合格発表

推薦入試合格発表の日の午前、Kさんのお母さんから「ダメでした。今から塾に伺って先生に会いたいとKが言っているのですが、いいですか。」という電話があり、Kさん親子と会うことになった。

2~3時間後に2人に会うとKさんのお母さんがニコニコしておられる。開口一番「うれしかった」と一言。これには私もあっけにとられてしまった。

いきさつを聞くとこうだった。合格発表を見るとKさんは不合格であったが、一緒に受験した友達は合格をしていた。

お母さんが喜んだ理由

帰り際に合格発表を見に来たその友達にKさんが「おめでとう」と心から祝福の言葉をかけたそうだ。それを横で聞いていたお母さんが「Kにこんな素晴らしい面があったのか。抱きしめたい位うれしかった。
Kが人間的にこんなに成長してくれたことがうれしい」と思ったそうだ。自分がダメで落ち込んでいる時に人に素直におめでとうと言える人は少ない。私は「立派だ」と素直に思った。

ブレイクスルーという考え方

「Kさんにとって、その高校は行く必要がなかったのです。おそらく次に受験するK高校にあなたが会うべき人がいるのかもしれないですね。1ヶ月後にそなえて準備をしっかりやっていきましょう。」と私は答えた。ブレイクスルー思考である。

この考えを簡単に紹介すると<「すべての物事には意味と価値があり、表面的には失敗・挫折・不運のように見える出来事も、すべて自分の成長のために用意された順調な試練である」という信念を持って数々の試練に彩られた自分の人生を全面的に肯定し、受容し、できるだけ楽しみながら生きていこうとする人生観>のことです。

福島大学教授飯田史彦先生がPHP研究所から出版されている「生きがいの創造」等の多くの著書の中で提唱されている考え方です。興味のある方は是非一読をおすすめします。

第一志望合格がすべてか?

かつて元塾生のお母さんから子どもが第1志望の大学受験に失敗したが、第2志望の大学で素晴らしい友人に出会って結果的によかったと言うことを聞いていたので、この話もさせてもらった。

Kさん自身志望していた美術科の先生が生徒に求めていることとKさんが求めることが微妙にちがっていることに受験を通して感じ始めていたので私の話は彼女の胸にスッと入ったらしい。

人として何が大切か?

その後Kさんは第2志望のK高校に進学し勉強とクラブを両立しながら自分の目指すイラストの勉強を独学している

。あの時もしKさんが志望していた美術科に合格していたらお母さんも子どもの本当のよさを知らずにいたかも知れない。Kさんもまた、不合格だったにもかかわらずこれ程までに自分のことを喜んでくれる母親をほこりに思うこともなかっただろう。

不合格だ・ダメだとなげく前に人として何が大切なのかをこのKさん親子に教えてもらい、心の中がほつほつとあたたかくなった。

そして、私のこれまでのさまざまな体験からも「不合格も予定通りの順調な学びの過程である。」と言う考え方が、不合格になった人やその家族のこれからの生き方、対処の仕方に勇気を与えてくれるものと信じている。
(くらじゅく通信2005年6月・7月号より)

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